歯の働きは「噛む」という機能だけではありません。
「噛む」行為は、同時に脳を刺激するということが分かってきました。
歯と歯を噛み合わせた時の刺激は、歯の根の所にある歯根膜から脳に伝わり、
その刺激は脳における感覚や運動、また記憶や思考、意欲に関係する部位の活性化に繋がると言われています。
つまり、歯が無くなってしまうと、脳が刺激されなくなり、脳の働きに影響を与えてしまうという事なのです。
また認知症以外にも全身へ影響があると言われています。
・栄養不足による体力の低下
歯がないと、また歯の本数が少なくなるほど食べられる食品が制限され、栄養状態の悪化が心配されます。
その状態が続くと、筋肉量が減り、運動能力や体力が低下し、さらなる栄養不足を招いたり、いろんな病気にかかりやすくなってしまいます。
・生活習慣病などのリスクが高まる
よく噛んで食べることで脳の満腹中枢を刺激し、食欲を抑えられます。しかし、充分に噛むことができないと食べすぎる傾向になり、肥満や糖尿病などの生活習慣病の発症リスクも高まると言われています。
・胃腸への負担が大きくなる
食物を噛むことは消化をしやすくするためですが、さらにだ液の分泌を促す効果もあります。
唾液には、口内を健康的に保つ働きに加え、消化や吸収を促す消化酵素も含まれています。充分に噛むことができないと、消化を助ける働きが機能しなくなり、胃腸に大きな負担をかけてしまうこともあります。
・さらに歯を失ってしまう可能性
1本でも歯を抜いたり失ったりしたまま放置していると、歯並びや噛み合わせが悪くなります。
そうなると、特定の歯に負担が集中しその歯も失ってしまう可能性が高まります。また、口内の中が不衛生になりがちで虫歯や歯周病になりやすく、最悪は残っている歯を失うということもあります。
まずは、意識して自分でできる日常的な口内のお手入れを欠かさないようにしましょう。
歯周病予防には歯間ブラシやフロスを使った歯間の掃除、虫歯予防にはフッ素入り歯磨きや洗口剤(デンタルリンス)が、効果があるとされています。
忙しく過ごす毎日の中で、ついつい身体のことは後回し……という方は多いかもしれません。
しかし、身体は日々の生活で少しずつ変えていけるものです。
生き生きと人生を楽しむためにも、健康な今だからこそ定期的な検査を始めませんか?